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比呂美スレに来るのは初めてなんですが、 本スレで誘導されたもので…… お願い、石投げないで ある日の眞一郎 あわてて飛び出た脱衣所のドアごしに聞こえてきた小さな声。 その「ごめんなさい…」という消え入るような声を聞いた時、 眞一郎はただ無性に腹がたった。この家に来てからもうかなり たつというのに、いつもおどおどと仲上家の人間に気を遣い、 同い年の自分にさえしばしば他人行儀な話し方をする比呂美。 早くに両親を亡くした娘をいたわるどころか事あるごとにつらく あたる母の不可解な態度。そして何より、そんな比呂美を守って やりたいと思いながら何もできない無力な自分への怒り。なのに 俺は、比呂美になんて言った? 「どうして謝るんだよ。謝るのは俺で! なのに、どうしてそっちが」 ああ、最低だ、最低だ! 自分の不甲斐なさから くるイライラを当の比呂美にぶつけるなんて! 自室に返ってもスケッチブックを開く気にさえなれず、 しばらくベッドの上で天井を睨みつけていた眞一郎は急に 起き上がると階段を駆け下りた。あれからさほどたってないし、 比呂美はまだ風呂からあがってないはずだ。だから何だ? 俺はいったい何をする気なんだろう。 「ここはおまえの家だぞ。もっと威張ってろ!」 そんなことを比呂美に言っても仕方ないことはわかっている。 それでも、それでも言わずにはいられない。宮殿を守る衛兵の ように脱衣所のドアの前に座りこんでしばらくすると、風呂場の 戸が開く音がした。のぞいていると勘違いされても嫌なので、 背を向けたまま辛抱づよく待つ。カラリと戸を開けた比呂美が 立ちすくんだところで振り返る。 「あがったか?」 「うん……ごめんなさい、待ってるって知らなかったから……」 また「ごめんなさい」だ。 「よし。じゃあ、もどれ」 「え?」 「いいから、ほら」 薄い部屋着1枚の比呂美に触れないようにして強引に脱衣所へ 押し戻す。 「なに?……どうして?」 「やりなおしだ! 全部! やりなおし! いいか、おまえは 今から風呂に入るとこ。そこへ俺がノックもしないで戸を開ける。 そしたら比呂美は『キャー! エッチ!』と叫んで俺を一発なぐる。 わかったな?」 「え……だって……」 「『だって』じゃない! ほら、バスタオル持って! さっきのポーズで!」 ぴしゃりとドアを閉めて息を整える。 「準備いいか? 開けるぞ? ほら!」 ガラッ! 途方にくれた顔で比呂美が立ちすくんでいる。 「ダメ! もう一回!」 ガラッ! 「……えっち……?」 「ダメダメ! もっと元気よく! もう1回!」 ガラッ! 「えっち」 キャーが抜けてるし、なんだか笑ってるし……でも 「……まあ、いいか。そこではい、一発!」 「だって……」 「いいから!」 比呂美はおずおずと手をあげると、ぽそっと頭にのせた。 「んんん…………まあ、いいか。今日は最初だからな。特別におまけだ。 でも次は許さないからな。バッチリ手形がつくような強烈なやつでなきゃ」 「次って……次があるの?」 「いや……ないよ、そんなの……もちろん、ないけど……」 「エッチ」 微笑みながらドアをくぐる比呂美と入れ違いに眞一郎は脱衣所に 入った。考えていたのとはだいぶ違ったが、一応よしとしよう。 とにかく、そう、笑ってもらえたのだから……。 さっきまでのイライラが嘘のように消えて、眞一郎は鼻歌を 歌いながら服を脱ぎはじめた。汗まみれのシャツを洗濯機に 放りこみ、ジーンズを脱いだ途端、 ガラッ! びくっと振り向いたドアからのぞいているのは、いたずらっ子の ような比呂美の笑顔。 「ちょ……ひろ……、なんだよ?」 「ほら、眞一郎くんだって、できてないじゃない。『キャー、 エッチ』でしょ?」 「そ……、そりゃ……、男はいいんだよ、男は!」 「ふふふ」 あー、びっくりした。比呂美があんな風にふざけるとこ、初めて見た。 まさかもう開けないだろうな……。パンツ脱ぐぞ? 脱ぐぞ? ガラッ! 「キャー、エッチ!」 「はあ……? 何やってんだ、おまえ」 「う………」 怪訝そうな顔の父の背中ごしに、必死に笑いをこらえている 比呂美の前髪が揺れている。まあいいか……まあいいや。 今日の君は笑っている。笑っているのだから。
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前:ある日の比呂美・豪雪編6 「私も……眞一郎くんが気持ち良くなってるのを見るの……好き……」 だから、またしたい。 させて欲しい。 比呂美は険と赤味のとれた眞一郎の顔に向かって、真摯にそう訴えた。 「…………」 眞一郎は言葉を返すことなく、頬を緩ませて胸の中にいる比呂美を優しく抱き締める。 (眞一郎くん……大好き……) 想像通りの答えを眞一郎が返してくれたことに気を良くした比呂美は、 お気に入りの隙間を見つけた子猫のように、身をくねらせて薄い胸板に甘える。 眞一郎は次々と形を変える比呂美の肢体を柔軟に受けとめ、そこから発散される薫りを貪った。 …………このまま《して》しまおうか………… 同時にそんなことを思ってみるが、そうはしない。 降雪がくれた貴重な時間は、そのためのモノではないことが、二人にはよく分かっていた。 ………… 性欲と興奮が治まりをみせた眞一郎と比呂美は、衣服を整えてから掛け布団に包まった。 無音の部屋にお互いの呼吸だけを感じ、それを幸せと実感する。 もうすぐ、この幸福は終わるのだろうと比呂美が考えたとき、眞一郎が唐突に口を開いた。 「雪の音がするな」 「……え?」 壁の向こう側を透かしているかのような眞一郎の視線を、比呂美は追ってみた。 《創作》という行為には縁の無い比呂美ではあるが、今は不思議と眞一郎の感覚が分かる気がした。 (音が聴こえる。 大地を白く覆う雪の音が。 どこまでも…… どこまでも…… 白で覆い尽くしていく、雪の音が……) 眞一郎が口走りそうなフレーズが胸中に浮かび、思わずククッと苦笑する。 こんな事もあるのだな、と考えながら、「どうした?」と訊いてくる眞一郎に向かって、 比呂美は『らしい』セリフを言ってみた。 「明日は帰る前に雪掻きしなきゃね」 「…………」 手伝わされると直感したのだろう。 眞一郎はまた壁の外へと視線を戻し、比呂美の発言を無視する。 子供みたいな抵抗を可愛いなと感じながら、比呂美は「逃がさないからね」という意志を込めて、 背中を包んでくれる眞一郎の胸を押し返し、体重を預けた。 「雪掻き、す・る・か・ら!」 比呂美のはつらつとした物言いが不可避の重労働を予感させたのか、眞一郎は身体をぶるりと震わせ顔をしかめた。 メルヘンの世界を散策していた意識は、どうやら厳しい現実へと引き戻されてしまったらしい。 明朝、自分を苦しめる事になる白い壁の量を想像して嘆息すると、 今度は隙間から入り込んできた冷気に反応して、眞一郎はまた身震いを始める。 寒がりなんだから、と悪意を込めずに囁き、比呂美は寄りかかった体勢のまま軽く笑う。 「お前は寒くないのかよ」 そう口を尖らせ、不平を垂れる眞一郎に向かって、「私は全然、平気よ」と比呂美は胸を張って見せた。 「ハイハイ、比呂美さんは鍛えてますからね~」 女は皮下脂肪も厚いしなと、ヤケクソ気味の眞一郎の口から、珍しく嫌味が飛び出す。 「ふんだ。理由はそれだけじゃありません」 「???」 比呂美は軽く鼻を鳴らしてから、眞一郎に気づかれないように、腹部より少し上へと指先をあてがった。 (……あなたが私の中にいるから……だから寒くないの) 恥ずかしい……絶対に声にすることは出来ない想いを自覚し、くすっと喜びの声が漏れてしまう。 「?? なんだよ?」 「ふふ。 教えてあげない」 言えるわけないでしょ、と内心で呟きながら、比呂美は首を折り曲げて、後ろ髪を眞一郎の鼻先に擦り付ける。 そして、幸せを噛み締めるように口角を緩ませながら、 あと少しは許されるであろう『雪のくれた時間』を楽しもうと、静かに瞼を閉じた。 [めでたし]
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会社を出るとすぐ、私は大きくため息をついた。最近では疲れも翌日に残る。 大学を出た後、地元、富山の製薬会社に就職して25年、営業二部の部長にまで栄達し、社 会的には成功といえる人生を送ってきた。 しかし、妻との関係は冷え切り、子供もなく、家には一切の会話はない。連絡事項は全て メモで行われ、この10年妻が台所に立つ姿を見たことがない。ただ、戸籍と屋根で繋がって いるだけの、赤の他人であった。 それでも以前は――まだ私が課長だった頃だ――仕事終りに部下と飲み歩くなど、それな りの息抜きも出来た。だが部長ともなると若い社員は身構えてしまい、私がいるだけで無礼 講とはならない。それがわかっているから私も以前のように部下に混ざって飲む機会も少な くなり、代わって取引先との接待や自分の会社の役員の供をする事が増え、ストレスは溜ま る一方であった。 「・・・・また、一人で食っていくか」 独り言を呟いて、駅前のレストランを目指す。イタリアンは最近少し重く感じるが、そこ は値段も手頃でよいワインを置いている。 店の明かりが見え、知らず足を速めた途端、横から飛び出してきた何者かと衝突した。 「ぅわっ」 「きゃっ」 ほとんど同時に短い悲鳴をあげ、私達は尻から着地した。 「す、すいません。お怪我はありませんか?」 「いや・・・・大丈夫だ。君は?」 痛む腰をさすりながら、一人で立ち上がる。相手はもう立ち上がっていた。 「私も平気です――あーっ!」 急に大声を上げて、私に近づいてきた。かなり若い、背の高い女だ。ショートの髪が私の 顔の下に引き寄せられていく。 「大変、どうしよう。アイスがこんなにくっついちゃった」 女の言う通り、私の胸元には彼女の持っていたソフトクリームが、べったりとくっついて いた。コーンが胸に刺さっているように見える。 「本当にすいません。どうしよう、シミになっちゃいますよね?」 「まあ・・・・クリーニングに出せば、なんとか」 それを聞いた女は暫らく考えていたが、やがて思い切ったように 「あの、でしたら、すぐに洗った方がいいですよね?」 妙な事になった。 女に連れられて入ったのは駅からは離れているが、繁華街の中核をなしているシティホテ ルだった。女は慣れた様子で部屋を取り、私をその部屋に案内すると、ルームサービスを頼 むと同時に私の服のクリーニングを至急で要望した。そして私に向かって、 「服の下までアイスでベタついちゃったでしょう?シャワー浴びてきてください」 と、浴室に追いやられてしまった。 ここまで来ると私にもなんとなくわかってくる。 つまり、私は「目をつけられた」のだ。 適当に金を持っていそうな、そしてまだ男としては現役な中年。自分から素人に手を出す 度胸はないが、相手がその気で誘ってくるなら買ってもいいという程度の下心はある親父。 私はそういう男に見られたのだ。 まあ、それならそれでいい。私も若かりし頃にはそれなりに遊んだし、妻との関係がおか しくなった当時はそういう女を買ったこともある。もしそういう目的の女なら今夜くらい愉 しんでも罰は当たるまい。 シャワーから出ると、女が上着を脱いで寛いでいた。その服装を見て、さすがの私も驚い た。 彼女が着ているのは制服だった。それも銀行とか、企業のものではなく、どう見ても高校 の制服で――つまり、まだ少女と呼ぶべき年齢だったのだ。 「君はまだ学生だったのか・・・・」 私は呆れて声をかける。女――いや少女は無邪気と呼ぶには妖艶に過ぎる微笑を浮かべた。 「ええ、麦端高校の1年生です」 麦端か。たしか姪が中等部に編入していたはずだ。 「こういう事はよくやっているのか?ええと――?」 「――ルミ、でいいです。よくなんてとんでもない。そんな悪い子じゃないんですよ、私」 私は苦笑した。言葉と口調が見事に正反対を向いている。 明るい所で見ると、ルミは美人ではあったが、同時に少女らしさも持っていた。髪は明る い茶色のショートカット、化粧はほとんどしておらず、少し勝気そうな瞳が印象的だった。 ルミは私に座るよう促すと、ルームサービスのワインの栓を開け、グラスに注いだ。 「さ、どうぞ」 私はグラスに口をつけた。重く、強いワインで、空きっ腹には堪えた。 「きついな、これは」 「そうなんですか?よく知らないで頼んじゃいました」 そう言ってルミも一口。途端にむせ返る。 私は笑って 「言わんこっちゃない」 「す、すいません。こんなに強いなんて・・・・」 「もっと軽いのを頼もう。私もなにか食べるものが欲しかった所だ」 「あ、でも、私、その・・・・これ以上は、お金が・・・・」 「クリーニング代だけで十分。後は私の奢りだ」 「そんな、それじゃ・・・・でも、ありがとうございます」 おそらく最初からそのつもりであろうが、それでもこういう反応をされると可愛いと思え てくる。 「でも・・・・それなら、私、ちゃんとお礼しないと」 ルミの声が変わった。少女ではなく、女の声に。 私に背中を向け、制服を脱いでいくルミ。ジャンパースカートを脱ぎ、ブラウスのボタン を外す。 裸になっても、ルミの印象はあまり変わらない。胸はあまり大きくないが、痩せているわ けではなく、スポーツでもしているのだろう、引き締まった、均整の取れた身体だ。 ショーツとブラも脱ぎ去ったルミは、もう一度ブラウスを羽織り、ボタンは閉めずに私を 振り返った。 「なんでわざわざブラウスを?」 「この方が喜ぶかと思って」 なにかの雑誌で手に入れた知識なのか、経験上の実感なのか判別できない。ルミはそのま ま私に近づくと、私に唇を重ねてきた。 少し迷ったが、舌を差し入れてみる。ルミはそれを受け入れ、暫し舌を絡め合わせた。 私の手がルミの乳房をまさぐる。外周から円を描くように揉みしだき、先端の突起を指先 でつまむ。唇を重ねたまま、ルミが呻き声を洩らした。 ルミは唇を離すと、少し悪戯っぽい笑顔を浮かべて私のバスローブの前をはだけた。そし て私の乳首を唇で挟み、軽く歯を立ててくる。 「お、おい――」 「おかしい。男の人は女にこういう事するのに、女からされるのは恥ずかしいんですね」 一度口を離したルミはそう言って、すぐに愛撫を再開する。唇は胸から腹に下がっていき、 更に下へ。まだズボンを履いていたが、そのベルトを外すと、ズボンの前を開き、トランク スの上から私のモノを手でしごき始めた。 トランクスも下ろされ、むき出しになった一物は、もう久しく記憶がないほどに硬直して いた。彼女は躊躇うことなく口に含み、舌先で私を責めてきた。 「ん、む、むぐ・・・・」 我ながら情けない声が自分の喉から絞り出される。10代のガキならともかく、この歳にな ってこの程度の前戯で果ててしまっては沽券に関わる。 いつの間に用意したものか、ルミの手にはコンドームの袋が握られていた。封を切り、中 身を口にくわえると、慣れた手際で口で私に装着してくれた。 再びルミの顔が私の目の高さまで上がってくると、 「続きは、向こうで」 ベッドを見ながら言う。 二人でベッドまで歩き――残念ながらお姫様抱っこをするには私は歳を取りすぎた――掛 け布団を剥ぐと、ルミが私をベッドに押し倒した。 仰向けになった私の上に、ルミが覆い被さる。私のモノを手で持つと、自分の中に導いて いった。 16歳、自分の娘と言ってもおかしくない年齢の娘が、私の上で腰を動かしている。この上 ない背徳感と、彼女自身の動きによって、私は大いに昂った。両手を伸ばし、ルミの両の乳 房を鷲?みする。荒々しい愛撫に、ルミの表情が歪む。 「ハァ、ハァ・・・・おじさん、凄い・・・・!」 ルミの腰の動きが激しくなっていく。私も下から突き上げていく。二人が獣じみた声をあ げ、動きが最高潮になったとき、二人は同時に果てた。 「ねえ、おじさん」 事後のけだるさの中で、ルミが私に話しかけてきた。 「ん?」 煙草を吸いたい気分だが、数年前から禁煙して持っていない。ホテルを出たら買おう、と 思った。 「私、おじさんに言い忘れてた事があるの」 「なに?」 「私ね、フルネームは高岡ルミ、て言うの」 「高岡?」 なんだろう、どこかで聞き覚えがある名字だ。高岡・・・・高岡・・・・・・・・。 目が覚めた。さっきまでの気分は全て吹っ飛んでしまった。私は跳ね起き、ルミを見つめ た。 「そう、私は高岡弥生の娘。あなたのお父さんが手を付け、そして生まれた子供。つまりあ なたの異母妹。どう?腹違いとはいえ、自分の妹の味は?」 「・・・・・・・・どういうつもりだ、これは?」 「別に。やっぱり私の父方の家系は、男はみんなけだものだって言う事を確認したかっただ け。でも、こんなこと会社に知れたらどうなるのかしらね?」 「・・・・誰が信じるものか」 「ここの部屋、お兄さんの名前でとったのよ。何驚いているの?当然名前は知ってたわよ。 ルームサービス持ってきたボーイさんは、二人いて男がシャワー浴びてた事を知っている し、私が高校の制服を着ていた事も見てる。いざとなれば証人はいくらでもいるわ。それに、 写真もあるのよ。私のバッグ。よく見ると横に穴が開いているのに気付かなかった?その粗 末なもの咥えてる時に、リモコンでシャッター切ったのよ。こぴしてばら撒いてもよし、メ ールで送りつけてもよし、どっちがお望み?」 「そんなことをしてみろ。お前だってここにいられなくなるぞ」 精一杯の脅しであった。だがルミは唇の端をゆがめて笑うと、 「こんな町に愛着も郷愁もないわよ。妾の子、妾の子って、私や母がどれだけ後ろ指指され てきたと思ってるの?あなたを道連れなら、町を出ることくらい安い取引だわ」 私は目の前が暗くなっていくのを感じた。自分ではなく、自分の父の不始末によって、こ れほどに理不尽な復讐をされていることに、そして反撃の機会が残されていない事に、絶望 していた。 「・・・・何が、望みだ。どうすれば、黙っていてくれる」 「大したことじゃないわ。ただ、片親って色々大変なのよ。大学の推薦もとりづらいし、就 職だって不利だし。お兄さんなら色々人脈も持ってるでしょ?可愛い妹の為に、この先色々 と協力して欲しいのよ、ね、簡単でしょ」 言葉では簡単だ。だが私には、一生摂り付いてやるという宣告にしか聞こえなかった。 了
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3つめSSです今回は時期ネタ 3倍返しの愛情 今日は3月14日 巷ではホワイトデーと言われる日 男性が女性にバレンタインデーの3倍返しをしなければいけない日…らしい 湯浅比呂美その人も例外ではなくほのかにお返しを期待していたりする 「比呂美~眞一郎君からお返しはもう貰ったの?」 朋与がニヤケ顔しつつ朝から通算3度目の同じ質問をしてくる (注:1回目は朝練、2回目は昼食時、3回目は部活が始まる前) 「朋与、今日は会う度にその話ね まだ貰ってないわよ」 私も三度同じ様に答える 「ちょっと、恋人同士なんだからさっさっと貰いに行けばいいのに いくら一緒の家に住んでるからって受身過ぎない?」 と朋与は少し急かせる様に比呂美に言い放つ 「まあ仕方ないよ、多分乃絵さんにまた振り回されてると思うし それが無くとも野伏君に捕まってるだろうし」 私はほぼ確実に起きているであろう予想を朋与に答えた 石動乃絵 私と同じ人を好きになり、一時期は敵対し眞一郎君を賭けて本音で対峙した子 その決着は私が勝利したのだが 同時に良き友、良き理解者になった 今では一緒に買い物などをするほどの仲だ とはいえ、確かに遅い 心中は少々穏やかではなかったりする 当然、この怒りは部活に矛先が行くわけで… 部活終了後から部員達に 「今日はやけに鬼気迫る感じでしたね」と茶化されたり 「本当だよね私なんか蛇に睨まれた蛙だったわ」と恐れられたり と散々な言われようで怒りは溜まる一方で帰宅する 家に帰ってからもそれは続き 夕飯の味付けは失敗したり、 おばさんから「今日は私一人でやるから比呂美は部屋で休んでなさい」 と台所から追い出されてしまったりと ここでも怒りを蓄積する事となる 夕食が終わり 私は自分の部屋に学校で出た課題と予習と復習をしていた ふと時計を見ると22時30分を過ぎていた 「はぁ今日のこと忘れてるのかな?」 もうここまで待たされると怒りを通り越して冷静になってくる そんな時コンコンとノックする音がした 「比呂美、今いいか?」 待ち焦がれたあの人の声だ 「入ってきても大丈夫だよ」 私は期待しつつ答え彼を部屋の入室を許可する 「お邪魔します」 眞一郎君は私の顔を窺いつつ入ってきた 「今日はゴメンな乃絵に捕まって渡せなくって 帰りに渡そうと思ったら三代吉に捕まってあいちゃんに行くことになって・・・」 眞一郎君の弁明が続くが どうやらそれが私の怒りを再燃させたみたく 「そ ん な こ と 言 う 為 に こ こ に き た の?」 とつい静かであるが怒りが篭った声で言い放ってしまった (しまった!!予想してた筈なのに言ってしまった) 気付いた時には時既に遅く 眞一郎君は恐縮して小さくなっていた 「ゴメン ホントにゴメンこれでどうかご機嫌を直してください」 眞一郎君の両手には綺麗にラッピングされた小さな小包があり 私の前に差し出していた どうやら私が待ち焦がれた物のようだ 「ここで開けてもいい?」 どうぞ、と眞一郎君は私の機嫌を窺うように答えた ラッピングを綺麗に外し小包を開けると瓶の中に幾つものハートの形をした飴と一枚のカードが入っていた カードには 『いつもありがとう こんな俺だけど これからもよろしく』 あまりの直球な言葉なので怒りがみるみる消えていく (もう眞一郎君は機嫌を取るの上手いんだから) そして私は甘えてしまう 「ねぇ一つ食べさせて」 眞一郎君は照れつつもコルクで栓をしてある瓶を開けその中から一つピンク色のハート型の飴を取り出した 「ちょっと眼を閉じててくれないか?」 眞一郎君が何故かそう頼んできたので不思議に思いつつも眼を閉じた 「じゃああげるから少し口を開けて」 私は眞一郎君に言われる通りに少し口を開いて飴を貰うのを待った その瞬間、飴とは違う柔らかい物が私の唇を刺激した 同時に口の中に飴が送られてきた え?と予想外の渡し方に私はボーっとしてしまう 「今日は本当にゴメンなこれで許してくれ じゃあまた明日な」 と言い眞一郎君は赤面しつつ私の部屋を逃げる様に出て行った (もう本当に機嫌を取るのが上手いんだから) 時計を見るともう23時そろそろ寝る時間 今日はいい夢が見れそうねと思いつつベットに入り寝ることにした 終わり 後書き 最後まで読んでくれてありがとう え~本編はそろそろクライマックスですがどうなるんでしょう? 比呂美と眞一郎が結ばれるといいですね しかし、これを書いてる時は物凄く恥ずかしかったです 妄想爆発している自分キモッ!! 他のSS職人さんの甘い話には頭が下がります
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=読む前の注意事項:ラストシーンで朋与のキャラが変わります 新年度の始まり-9 ぐいっと肩を掴まれ、体の向きが変えられた。 「!!!」 "あの目"があさみを見ていた。 「仲上くん!」 (あぁ…、"あの目"が、私を見ている、私を…) 思わず名前を呼んでしまった。自分の目を真っ直ぐに見ている"あの目"。 目と目が合った瞬間、何も考えることができなかった。 「…………」 次の言葉が出てこない。息が、胸が苦しい。両手を握り胸元へ添えた。 手が震える、掴まれている肩が熱い、唇も少し震え出す、目に涙が滲む。 ぼやける視界の向こう側に、眞一郎の"あの目"。 「どうした?」 あさみの様子がおかしいことを心配していた。強引に振り向かせたら、見る見 るうちに顔が赤く染まりだしたのを見て、さらに心配した。 「…ぁ………………」(あぁ…、仲上くん……) 眞一郎の優しい声が心に響く。懸命に言葉を紡ぎ出そうとする。 しかし、溢れる想いで呼吸すらままならない、声が出ない。 あさみの心が震え始めた。 「大丈夫か? おいっ! …………え?」 眞一郎は出来る限り手加減して肩を揺する。そして、あさみの変化に気付いた。 「…ぁ…………ぁ…ぃ………」(あぁ…、仲上くん……) あさみは、自分が涙を流していることに気付いていない。 心を支配するのは、眞一郎への想いと"あの目"。 見られているだけで、自分に向けられただけで、何も考えられなくなった。 溢れる想いが全身を包む。どんな言葉でも言い尽くせない幸福感に浸る。 今、手を握られたら、今、抱き締められたら、今、キスされたら、あさみは…。 バタバタバタッ、バタバタバタッ、バタバタバタッ。 机に置かれた眞一郎の携帯電話が踊った。そちらに一瞬だけ視線をそらした後、 もう一度あさみの目をしっかりと見た。 「大丈夫…か?」 「うん、大丈夫。電話、鳴ってるよ?」 電話が鳴っていると思った瞬間に比呂美の顔が頭に浮かぶ、あさみが眞一郎の 呪縛から解き放たれた。震えている自分の声に驚きながら…。 「だけど…」 「大丈夫、電話の後に、話す……から…」 「…」 「早く! 出ないと!」 掴まれた肩を振りほどき、立ち上がった。その時、始めて自分が涙を流してい ることに気付いて、慌てて拭った。 (私、こんなに…好きだったんだ? もう…止まらない…止めたくない…) あさみは自分の気持ちの大きさ、強さを実感して、覚悟を決めた。 「え? 愛ちゃん? 今は…ちょっと…」 眞一郎の声が聞こえる。 (あれ? 比呂美じゃない?) 「いや……だから…、え? 何で? ………………分かった。 愛ちゃんが話があるって、ほら」 「…」 あさみは何を言われているのか分からず、ぽかんとした顔。 「電話、出来るか? 話せないなら…」 「大丈夫! かして!」 一瞬で気持ちを入れ替え、眞一郎の手から携帯電話をもぎ取った。 「あ…」 いきなり元気になった様子に戸惑いを隠せなかったが、少し安心したようだ。 「もしもし?」 『あさみちゃん!? 今、ちょっといいかな?』 「うん…」 春休みに一緒に出かけて以来、たまにしか会えないがいい友達になっていた。 声を聞いてあさみは安心する。いつものタメ口になっていく。 『今、眞一郎と一緒なんでしょ?』 「うん…、そうだよ…」 『離れてくれる? 声が聞こえない場所まで…』 「え? どうして?」 『聞かれてもいいの?』 「ちょっと、待ってて…。…………仲上くん、ごめん、作業続けててくれる?」 あさみは眞一郎の返事を待たずに廊下へ出た。 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 「もう大丈夫…」 『あさみちゃん、眞一郎のこと、好き?』 心臓がどきんと跳ねた。 「…」 『アタシ、こないだ分かったよ? あさみちゃん、分かりやすいね? 眞一郎ばっかり見るんだから!』 愛子は仲上家での"集まり"以来、あさみの事を心配していた。自分と同じ様に 暴走して、最悪の結果になった時、どんなに苦しいか知っていたから。 あさみに同じ苦しみを味わってほしくなかったのだった。三代吉にそれとなく 質問して、状況を掴んでいた。今日、2人きりになっていると知り、電話した のだった。あさみが自分の携帯電話に出ないため、仕方なく眞一郎にかけた。 「でも…どうして? 今、一緒だって…」 『三代吉のこと、忘れてる?』 「あっ、ごめん…」 『別にいいけどね? 眞一郎しか頭にないんでしょ?』 「…」 『いい? はっきり言うよ?』 「うん…」 『聞く勇気、ある?』 「さっき、覚悟、したから、大丈夫」 『……そう…みたいね? 強い声だもん』 「…」 『じゃ、言うね?』 「覚悟できてる」 『告白してもムダだけど、告白した方がいいよ。言いたい事、全部言いな!』 「…」 『分かった?』 「あのぉ、無駄…って?」 『分かってるでしょ?』 「…」 『それでもいいと思って、好きになったんでしょ?』 「…」 あさみの中で"何か"が急速に消え去っていく…。 『あれ?』 「…」 『おーい、あさみちゃん?』 「愛ちゃん…」 『なに? 勇気出た?』 「か、勘違い、だったかも…」 『ハァ!? あっ!』 電話の向う側で、愛子が盛大にズッコケてます。どんがらがっしゃーん。 「だって、当たったら砕けるって思ってたけど、無駄って言われると…」 『あいたたたた…』 「愛ちゃん? 聞いてる?」 『ちょ、ちょっと待って…。いったぁ…。お尻、痛ぁい…』 「だ、大丈夫?」 『まだ痛いけど…、勘違い?』 「うん、こないだ仲上くんが比呂美をかばった時から、悩んでたんだけど、 違ったみたい…。比呂美がいるから、断られるって思ってて…。 私が仲上くんのこと気になってるのは確かだと思うけど…」 『…』 「仲上くんが私をどう思ってるか、全然考えてなかった、かも…」 『…』 「う~ん、どうしたらいいかな? さっき、目の前で泣いちゃったし…」 『…』 「愛ちゃん?」 『自分で何とかすれば?』 「えっ!? ちょっと、何か言ってくれても…。心配してくれたんじゃ――」 『話はそれだけ? 切ってもいいよね?』 あさみの言葉を遮って、愛子が少し冷たい声で返してきた。 「い、いや…。あのぉ…」 『だって、勘違いなんでしょ?』 「た、たぶん…」 『それなら話は簡単でしょ? さっさと言い訳でも何でもすればいいじゃん!』 「あ、愛ちゃん、怒って…る?」 『怒ってない! 呆れてるだけ!』 「あのぉ…」 『もういいかな? アタシ、忙しいから! 切るね? また店にきてねっ!』 「あ、愛ちゃん!」 『ツー、ツー、ツー……』 「………ま……また…ね…」 最後は電話に向って独り言になってしまった。 (う~ん…、勘違いだなぁ、たぶん。そういえば、仲上くんが私のこと、 どう思ってるかなんて、考えもしなかったなぁ。だって、無駄だもんね? 仲上くんは、本当に比呂美だけ見てるもんなぁ。私のこと見てないもん。 でもなぁ……、さっきあんなに好きだったのになぁ…。なんでだろ?) 腕組みをしながら考え込んでいた。…きゅぅ… (あっ、お腹、空いちゃたぁ。そうだっ! 言い訳考えないと!) 少し時間をかけて言い訳を作成してから、教室に入った。 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 「あっ! だいぶ終わったねーっ!」 あさみの明るい声が教室に響いた。 「えっ!? お前、さっき、泣いてたんじゃ…」 眞一郎は、ぽかんとした顔で作業の手を止めた。 「ああっ! またサボってる! 電話、ここに置くね?」 「どっちがだよ!って、いや…大丈夫…なのか?」 やはり先程のあさみの様子が頭から簡単には離れない。 「うん! 大丈夫! さっさと終わらせようよ!」 それを合図に、2人は作業を再開した。 「でも…」 「さっきはね? ちょっと昨日見た映画と状況が似てて、思い出し泣き!」 資料整理の手を休めずに、いつもの明るい声で涙の言い訳をした。 「はぁ? 思い出し泣き? 何だそれ?」 眞一郎はあさみの声の調子に安心して、こちらもいつもの調子を取り戻す。 「だってさぁ、すっごくいい話だったんだぁ…。帰ったらまた見よう…」 「…」 「何? 私の涙が見れて、得したでしょ?」 「そんなにいい映画だったのか?」 「まぁねぇ~。思い出させないで! 帰ってからのお楽しみなんだから!」 眞一郎と屈託なく話せることが、あさみは嬉しい。先程までの苦しみから解放 されると、こんなにも嬉しく楽しいのか、そう思っていた。 「でも、思い出しただけで泣くくらい、いい映画なんだろ?」 「だから! 思い出させないで! そんなに映画が気になるの?」 「いや…さっきの涙のことを考えてた。その………何て…言ったらいいか…」 眞一郎の声が少しだけ低くなった。 「私の涙なんて、どうでもいいって言うの? 失礼だなぁ、比呂美以外はだめ?」 …ずきん…自分で言っておきながら、何故か胸が痛んだ。 「そうじゃないって、さっきのお前は、違ったと思う…」 「ふ~ん、どう違うって?」 あさみはそれ程興味なさそうに、作業しながら聞いている。 「変な事言うって思うなよ?」 「もったいぶるなぁ…。大丈夫、聞いたげるから、言ってみれば?」 「俺の目を見て流れた涙、あれは違ったんじゃないか、ってね…」 「だからぁ、何が言いたいのか分かんないって!」 あさみは眞一郎が何を言いたいのか、想像もつかない。気楽に次の言葉を待つ。 しかし、その言葉は衝撃的なものとなる。 「あの涙は心を震わせた涙だと思った。心の底から溢れてくるみたいだった」 「…」 眞一郎の言葉は心に直接響いた。何故か全身が一瞬だけ震えた。 「だから、そんなにすごい映画なら、俺も見たいし」 「…」 「今度、俺にも教えてくれよ、その映画…」 「…」 あさみは勇気を出してちらっと横を見る。"あの目"が見えた。…どっくん… 慌てて視線を元に戻した。 そして、眞一郎の言葉を思い出す。自分でも勘違いだと思いそうになっていた 気持ちが、そうではないことを告げられてしまった。他でもない、当の本人に。 (仲上くん…、私………私……ありがとう………そんな事…言われたら…) 胸がドキドキした。本物の想いだった。嬉しかった。本当に嬉しかった。 しかし、何とか涙を必死で堪える。今、涙を見せてはいけない、そう感じた。 理由は自分でも分からない。まだ早い、そんな言葉が頭をかすめた。 「おいっ! 聞いてんのか? だから、変って思うなって言ったろ?」 「うん…、聞いてるよ? 大丈夫、そんな風に思ってないから…」 心が喜びに満たされ、眞一郎の言葉へ素直に答えることができる。嬉しい。 「まぁ、いいや。今度教えてくれよな? 今でもいいけど?」 「ダメ……今は…………まだ……ダメ。もう少し、したら。言う……かも…」 もう眞一郎を見れない、手元に視線を集中させている。 「ちぇーっ、ケチだなぁ…」 眞一郎の声が普段どおりになった。あさみは少しだけほっとした。 「ケチじゃない…、そんなんじゃない…」 今はまだ"その時"じゃない、そう言いたかったが、言えるはずが無い。 「そうかぁ? ま、いいけどね…」 自分の言葉がどんな影響を与えたのか、この時点では当然分かっていない。 2人は、そろそろ終盤に差し掛かってきた資料整理の作業に集中している。 作業がほぼ同時に終わりそうだった。あさみはあまり貢献してないが。 「ふぃーっ、終わったー!」 「うん…、私も…」 「角、揃えるぞ。俺がやるから、積んでくれ。うるさくても我慢な?」 「うん…、大丈夫…お願い…」 バンッバンバンバンバン!と分厚い資料を持ち上げ、落として角を揃えている。 2人の他に誰もいない教室に響き渡っていて、結構うるさい。会話はできない。 あさみが資料の具合を確認するフリをしながら、眞一郎の方を向いた。 その音に紛れさせるようにして、横顔へ呟く。 バンッバンッバンッダンッ!!「好き…」ダンッ!! バンッ! バンバンッ! 小さいが本心の告白は、騒音にかき消された。"まだ"眞一郎には届かない。 この時、あさみは自分の想いを、直接眞一郎へ向けて声に出すことができた。 嬉しかった。溢れそうになる涙を必死に堪える。 (今はまだ…伝えちゃダメ! 無駄になんてしたくたい!) 本気で決意を固めた。覚悟ではなく、決意。前へ進み、何かを得る為に。 困難であることは分かっていた。それが不可能に近いことも理解できる。 でも、諦めたくない。これほど強い想いをあさみは経験したことがなかった。 なるべく自分らしく、明るく、元気に、そう思っていた。 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 学校からの帰り道、あさみはスキップするように歩いている。 比呂美を待つ眞一郎と別れて、一人での下校だ。朋与を待とうとは思ったが、 色々と考えたいので先に帰ることにした。 (実際には何をすればいいのかな?) あさみは考える。 (その前に、これから大変だぁ…。がんばんなきゃ!) 空を見た、昨日とはまるで違う世界。何もかもが新鮮に感じられる。 (やれるだけやって! がんばって! そして!…………うまく…いくかなぁ?) 手に持った鞄の重さ、歩く度に足の裏に感じる体重、自分がそこにいた。 (あ~あ、ホントに大変だぁ…) 頬に、髪に、風を感じた。不安もあるがそれを上回るやる気で満ちていた。 (まぁ、どうせ私だしね? できる事はそんなにないし…) やはり、不安が付きまとう。 (とりあえず帰ったら、何か食べながら考えよう! で、朋与に電話!) あさみの考えは脈絡もなく、まとまらない。それでも考える。 その表情は、とてもいい笑顔で彩られていた。 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 「あっ、眞一郎くん!」 校門で待っていると、比呂美が駆け寄ってくる。 「おおっ、お疲れ!」 笑顔で軽く手を振って出迎えた。 「あれ? あさみは?」 眞一郎と居残りだったはず、朋与の質問は当然だった。 「え? 資料整理が終わったら帰った。腹、減ったって…」 比呂美と手を繋いでから、答えた。 「…」 嬉しくて無言で頬を染めるのを横目で見て、 「……はぁ、あの子は…」 溜息を漏らす。 「比呂美は大丈夫か? 途中でどっかに寄るか?」 「…」 笑顔で出迎えられ、いきなり手を握られ、労わりの声をかけられ、まだ無言。 「はぁ…、どうしてあたしの周りの女共はこうなんだか…」 溜息が続いてしまう。 「う~ん、どうすっかなぁ? どっかで買って食べるか? 俺が金出すぞ?」 繋いだ手から比呂美の暖かさが伝わり、機嫌がよくなっていた。 「きょ、今日は、眞一郎くんの家で、ご飯、でしょ? て、手伝わないと…」 やっとの思いで言葉を出すことができた。 「はいはい、それなら、あたしはここで」 さすがに2対1では分が悪い、二人の会話を止めたくても止められない。帰り 道を急いだ方がいいと判断した。 「あっ! 朋与っ! 今日も調子悪かったね? ちゃんと休んでね?」 眞一郎相手でなければ、いつもの比呂美だ。練習で調子が悪かったことを思い 出して念のために言っておいた。 「はいはい、言われなくても分かってるっつ~の! じゃね! ばいばい!」 朋与はさっさと駆け足で走り去っていった。 「ばいばい!…………し、眞一郎くん…帰ろ…っか?」 そして、二人きりの恥じらいモードにチェンジ。 「ほんと、比呂美はまだ慣れないのか? 俺に?」 その様子を見て、眞一郎がからかう。 「な、慣れないんじゃなくて………あ…あの…、ちょっと嬉しくて…」 眞一郎の顔を見れないくらい、喜んでいた。 「ん? 何で? 手なんていつも繋いでるだろ?」 よく分からなかった。 「そ、それもあるけど…、出迎えられると………嬉しくて…」 「………分かった」 眞一郎の表情が、悪戯っ子のようになった。 「え? な、何が?」 その横顔を見つめながら聞いた。 「へへっ、俺が先に家に上がって、勝手口で『おかえり』って言おうか?」 「…」 返事できない。 「ん?」 「…」 その代わりに眞一郎の腕を取り、密着した。全身で「当ててんのよ」する。 「ひっ、比呂美?」 「……うん、言ってくれると、すごく…嬉しい…かも…」 さすがに密着体勢では歩けない。しばらく、そのままで立ち尽くした。 家に着くと"お出迎え"が実行された。 「おかえり、比呂美」 先に勝手口から入って、笑顔で出迎える。 「ただいまぁ~♪ 眞一郎く~ん♪」 ほんの少しの時間差で"ご帰宅"。満面の笑み。 「あ!…っと」 誰も見ていないと思って大喜びで抱きついてくる比呂美を受け止めた。 その時、 「ん………まぁ、その…なんだ…。程々に、な?」 「相変わらず仲がいいわね? 但し、外 で は し な い で ね?」 眞一郎の両親に見つかってしまう。抱き合ったままでは、言い訳できない。 「「はい…」」 声を揃えて素直に返事をした。 その日、比呂美は張り切って夕飯の支度から片付けまで手伝うことになる。 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― <サントラ"うねり/ねじれ/揺らぎ"を聞きながら読むと臨場感がUPします> <上手くペース調整できれば、いい感じで空白行に。1分くらいがベスト> <後半は少し早めに読んでください。 "SeLecT"もいいけど…、お好みで> 夜、朋与は自室で風呂上りにあさみと電話していた。興奮するあさみに対して、 「ふ~ん? 本気になっちゃたんだ?」 ちょっと冷たい言い方だった。 『あっ! またぁ、私なんかじゃ、どうにもならないって言いたいのっ!?』 「そうじゃないけど…」 朋与は手に持った小さい瓶を弄びながら電話している。 『私! 決めたの! 誰が何て言おうと、できるだけ頑張るって!』 「そう…」 『ああぁ…、朋与が冷たぁ~い…』 「そうじゃないっつ~の! だって、そんなの聞かされたって…」 『なに!?』 「あたしには何もできない、でしょ?」 『あっ、そうかぁ…。比呂美は親友だもんね? 朋与は何もできないか…』 「そ」 『う~ん、でもさぁ…。私、びっくりしちゃった』 「またその話? 何回目?」 『あぁ~ん、言いた~い! 聞いてもらいた~い!』 「ごめん、眠い」 『うう゛~』 「唸ってもだめ」 『うん! こっちこそごめん! オヤスミ!』 「はい、お休み」 『明日!』 「明日ね?」 ピッ、通話を終了した。 「そうか…、あさみまで本気か…」 電話での口調と明らかに変わった、冷たい平坦な声。 コトンと瓶を置いて、パソコンを起動する。画面を見ながら思いにふける。 しばらくすると、ログイン画面が表示された。 「……ちょっと効きが悪くなってきたなぁ…」 表情が失われ、目つきも変わる。 瓶のラベルには睡眠導入剤と書かれていた。 蓋を開けていつもの量を取り出し、コップの水と一緒に飲んだ。 「こくっ…んぐ………ふぅ…、最近…独り言も多い…な…」 上半身を反らし、椅子の背もたれに体重をかける。 「今日は、みんなに調子落ちすぎって言われちゃうし…」 両手を頭の後ろで組んで、天井を見上げた。 少しだけ目を細めた。 「仕方ない…か…、一日一食が限界…、何冊読んでも夜は眠れない…」 イガグリ頭事件以来、朋与は毎夕食後、トレーニングと称して外に出る。 そして、人気の無い場所で食べた物を吐いていた。 本来は食欲が無いのに、家族の手前無理に胃に押し込んでいのだった。 朝ごはんはダイエットで誤魔化している。 視線をログイン画面に戻す。 「あたしがこんなに悩むとは…、笑っちゃいそう…」 キーボードに手を添える。 「比呂美、あさみ、ああそうだった、愛ちゃんに…………石動乃絵…か…」 慣れた手つきで"特別な"アカウント名とパスワードを入力する。 「ホント、やるじゃん……………………私の眞一郎…」 ギリッと歯を食いしばった。 入力されたアカウント名は"本当の私"、パスワードは"I Love Shinichiro"。 「よぉし、明日からは、きちんと食べて…寝よう…」 朋与の瞳に暗い光が宿る、本気になった。 「今は、比呂美に…預けておく……………けど…………きっと…」 デスクトップ画面が表示された。壁紙は春休みに6人で撮った写真。 眞一郎と朋与以外の顔は、黒く塗りつぶされていた…。 続き…どうしよう? 少し不安… END -長いあとがき- どうでしたか? あさみの告白。そして、悩み、苦しんで黒くなった朋与。 朋与は直ぐに元に戻るから、安心してください。ちょっと悩みすぎて一時的に ああなっただけです。でも…、ですけどね。勿論、最後はハッピーエンドです。 今後は朋与とあさみの本気アタック開始…たぶん。それを比呂美と眞一郎が ラブラブなままで状況を打破!な予定です。イチャイチャもさせます。 二人の絆と気持ちは一切ブレないので、ご安心を。 ついでに、ここまでの流れをおさらい。あさみは分かり易いので省略。 朋与の心情描写の布石(伏線?とか言われるけど) 新年度の始まり=無し。この時は続きがあるなんて思ってなかったので。 続き=あさみが声をかけても聞こえないが、比呂美だと反応するのを見てる。 実はずっと前から二人を見ていたということ。 3=とにかく比呂美と眞一郎の関係を茶化し、追及する。 4=愛子に自分達がいつも二人のイチャイチャを見ていることを言ってしまう。 あさみとの会話は全て自分の気持ち。 5=あさみとの電話で"当たったら砕ける"、"死んだ?"等、結果への恐れ。 6=あさみの暴走を不安に思う、つまり自分の気持ちの暴走への恐れ。 7=失敗したあさみに優しく接する、結果に対する恐れから同情。 8=何かと比呂美と眞一郎の会話を遮る。 9=下校時、二人のイチャイチャを見ていられない、逃げるように帰る。 あさみの本気を聞いて、朋与も決心を固める。 いつも明るいあさみは心の支えだった。それも失ってしまう。 5のあとがきで、"朋与の本心はまだ未定。先を考えずに書いている"は、 本当ですよ? 5までは、細かく散りばめておけばいいか?なノリでしたが、 6を書き終えた時点で方針を決めました。 尚、このお話はあくまでもラブコメ調SSです。描写範囲はそれを超えません。 ありがとうございました。 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― おまけ ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― =比呂美が眞一郎に抱きつくシーンをさらにバカップル化します。 =非現実的過ぎますが、ご容赦… =書いて恥ずかしい…、読んでも恥ずかしい… =警告! ="溢れ出る、気持ち"とか聞きながら読んではいけません! =アニメ本編を大切にしましょう! ― ― ― ―<新年度の始まり-9 原文>― ― ― ― そして、二人きりの恥じらいモードにチェンジ。 「ほんと、比呂美はまだ慣れないのか? 俺に?」 その様子を見て、眞一郎がからかう。 「な、慣れないんじゃなくて………あ…あの…、ちょっと嬉しくて…」 眞一郎の顔を見れないくらい、喜んでいた。 「ん? 何で? 手なんていつも繋いでるだろ?」 よく分からなかった。 「そ、それもあるけど…、出迎えられると………嬉しくて…」 「………分かった」 眞一郎の表情が、悪戯っ子のようになった。 「え? な、何が?」 その横顔を見つめながら聞いた。 「へへっ、俺が先に家に上がって、勝手口で『おかえり』って言おうか?」 「…」 返事できない。 「ん?」 「…」 その代わりに眞一郎の腕を取り、密着した。全身で「当ててんのよ」する。 「ひっ、比呂美?」 「……うん、言ってくれると、すごく…嬉しい…かも…」 さすがに密着体勢では歩けない。 ― ― ― ―<新年度の始まり-9 原文ここまで>― ― ― ― <さて、イチャイチャ開始です。恥ずかしくなったら読むのを止める様に> 比呂美は恥ずかしいのか、黙ったまま体をもじもじと動かしていた。 赤くなった顔を見られないように、眞一郎の肩におでこを当てている。 「比呂美…」 「…」 まだ、もじもじしている。比呂美は気付いていないようだ。 体を動かす度に"何か"がぐにぐにと形を変えていることを。 「ひょっとして、気付いてない?」 「?」 もじもじ、継続中。よって、ぐにぐに…。 「当たってる…ぞ?」 「!」 ぴたっ…、止まった。抱きついたまま、硬直。耳まで赤くなるのが見えた。 「…」 「…」 そのまま、二人とも一時停止。 「じゃあ、離れるか?」 ふるふる…、頭を少しだけ横に動かす。イヤ、と言っているつもりらしい。 「離れたくないの…か?」 こくん…、少しだけ縦に動かす。うん、だそうだ。 「まぁ、俺も離れて欲しくないけど…な?」 こくん…。 「でも、このままだと、困る…よな?」 こくん…。 「離して…いいか?」 ふるふる…。 「困ってる…よな?」 こくん…。 「どうしたら…いいかな?」 もじもじ、ハッ!、ぴたっ…。 比呂美は「どうしよう?」を表現しようとして、もじもじ。 また、当たってることが分かって、ハッ!。 恥ずかしくて、ぴたっ…。 「俺にまかせる…か?」 こくん…。 どかっ、眞一郎が鞄を下に落とした。 「!」 びくぅ、ハッ!、ぴたっ…。 比呂美はびっくりして、びくぅ。 またもや、当たってることが分かって、ハッ!。 恥ずかしくて、ぴたっ…。 「……比呂美、俺もこうしたいぞ…」 ぎゅうぅぅっ! 「!………んふぁ、眞一郎くん…」 思いっきり抱き締められて、色っぽい吐息。 「どうだ?」 こくん…。満足したらしい。 <<バ、バカ過ぎる!…………>> <<本当はもっと書けるんでけどね、もう限界… orz>> ― ― ― ―<新年度の始まり-9 原文再開>― ― ― ― しばらく、そのままで立ち尽くした。
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4つめSS即興ですこんな感じでしょうか? 「恥ずかしい想い」 眞一郎君と正式に付き合い初めて数ヶ月 あの波乱な出来事の後からようやく落ち着き 季節は春から夏へと変わりつつあるそんな日 「ねえ比呂美今更だけど眞一郎君の何処に惹かれたの?」 朋与は今更ではあるが一番痛い質問をしてきた 「そんな事聞いてどうするの?面白くないよ?」 私は軽くあしらうつもりだったが いつもより追求してきたので折れる事にした 「そうね簡単に言うと必ず助けに来てくれるからかな」 はぁ?という顔で朋与は反応した 私はそんな顔を気にせず語り続けてしまう 「小さい時に逸れて泣いてた時迎えに来てくてね それ以来私がホントに困ってる時に目の前には眞一郎君がいるの」 そう 辛くて家から飛び出した時も 眞一郎君を諦める為に一人暮らしをしようと時も 必ず追いかけて迎えに来てくれた 「さしずめ白馬に乗った運命の王子様ですか」 朋与は呆れ顔で言い放ったが 私は少し照れなから「うん」と答える 「うわ、この子否定しないよ ハイハイご馳走さま必死に聞いた私が馬鹿だったわ この不快感はガリンコくんで補って貰うわ」 朋与は呆れつつ冗談で言う 「酷いなぁ聞いてきたのに何故私が朋与に奢らなければならないのよ」 私は少し強い口調で言ったが 「まあいいわ奢ってあげる その代わり眞一郎君には内緒にしててね」 と口封じを兼ねてその交渉に乗ることにした 今はお互い信じあえる けどこの思いだけは恥ずかしくて知られたくない とても大切な思い出と想い 言う時がきたら恥ずかしがらず言おうと思う それが大切な人に対する礼儀だと思うから 終わり 最後まで読んでくれてありがとう スレ出たネタでやって見ました お気に召したら幸いです しかしホントどうなるんでしょうね?10話の眞一郎よ戻ってきてくれ
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前:ある日の比呂美10 首を横に振って欲望を払い除けようとする眞一郎を、比呂美は真っ直ぐに見つめていた。 自分が差し出した甘い誘惑…… それが導く牡として抗いがたい欲求と、眞一郎は闘っている。 「駄目だ!……約束しただろ!」 …………ちゃんと避妊はする………… 行為を始める前……交替でシャワーを浴びる前に、眞一郎と比呂美はそう決めていた。 自分たちも、周りの人たちも、誰も悲しませないために『ちゃんと』しようと。 …………だが………… 「大切な夜なの。一度だけの……大事な夜なの。……お願い……」 眞一郎との初めての繋がりを邪魔されたくない…… 今の比呂美の頭の中には、その事しかなかった。 ……重ねられた愛撫で思考が曇っているわけではない。 ………仲上の体面、破壊されるかもしれない未来、学校生活、『おばさん』の叱責……… そんなものを全て飛び越えて、純粋に自分が求めているもの…… それが眞一郎との『本当の繋がり』だった。 「そりゃ…俺だって……」 愛する女の胎に精を注ぐ……それは男に生まれた者にとって、何物にも代え難い至上の悦びだ。 ましてや眞一郎は体験者…… その禁断の味を知っている…… 「でも駄目だ。子供が出来るのは俺じゃない……お前なんだぞ」 自らの欲望と比呂美の未来……天秤に掛ければ『比呂美』が重いに決まっている…… そう訴える眞一郎。 しかし、『眞一郎』を欲する比呂美の決意は揺るがず、引く事もなかった。 「何それ。…………そんなの……」 途中で言葉を切り、唇を奪うことで、比呂美は自分の想いを眞一郎に注入する。 「んっ…」 不意打ちを喰らった眞一郎が呻くのも構わず、言葉や音には出来ない気持ちを伝えようとする比呂美の舌。 窒息寸前まで口腔を貪ってから、比呂美はもう一度、胎の中の『女』が求めているものを、眞一郎に告げた。 「……お願い…………とって……」 「…………比呂美……」 陰唇に当たる隆起を撫で上げようとする比呂美の動きを、眞一郎は腕を掴んで止めさせる。 そして、そのままの姿勢で瞼を閉じ、眞一郎は心に埋もれた答えを探し始めた…… ………… ………… 「後悔しないか?」 一瞬とも永遠ともつかない間の後、再び開いた眞一郎の目が、覚悟を決めた力強い光を放って、比呂美の心を射抜く。 比呂美はその眼差しに反応して、自分の子宮がキュッと収縮するのをハッキリと自覚した。 (………はぁ……眞一郎くん……) 濁りの無い眼光で自分の心を貫きながら、もう一度「後悔しないか」と訊いてくる眞一郎。 想いが届いた喜び……そして気持ちと気持ちが繋がった充足感が比呂美を満たす。 「しない…………するわけないじゃない……」 比呂美が身体に充満する想いを口にし終わるのを待って、眞一郎は唇を重ねた。 そして擦り合わせていた局部に手をやり、自身の隆起を覆う皮膜を剥ぎ取る。 パチンというゴムが弾ける音と、眞一郎から直接伝わる熱が、願望の成就が近いことを比呂美に教えた。 (…………来る……眞一郎くんが……私の………中に……) キスを解いた眞一郎は、陰茎を溝に合わせてスライドさせ、愛液を茎の腹にまぶし出した。 眞一郎の雫と比呂美の露とが混じり合い、クチュクチュという卑猥な音がロフトに充満する。 比呂美はその感触と音に引かれるように、首を曲げて、眞一郎が没頭する『作業』に目をやった。 ……大きく開いた自分の股…… その間を眞一郎の腰が前後するたびに、張り詰めた亀頭が見え隠れする…… 視覚、聴覚、触覚の波状攻撃が、比呂美の中の『牝』を呼び起こしていく。 (…………欲しい…………) 女から求めるなんて、はしたない……それを百も承知の上で、比呂美は噴きあがる欲望を口にした。 「……眞一郎くん……来て……」 桃色の陰唇だけではなく、宝石のような瞳までも熱く潤ませながら、比呂美は眞一郎に挿入をせがむ。 小さく頷いてから、眞一郎は陰茎の照準を充分に解れた肉の裂け目へと合わせた。 亀頭の先端をめり込ませてから、眞一郎の両腕が比呂美の上半身を抱きしめ、逃げられないように固定する。 「……眞…一郎くん……」 「少し我慢して。一気に挿れる」 ゆっくり挿入すると、痛みが長引いてかえって辛い、と眞一郎は言った。 返事はせずに両目を閉じ、眞一郎の背中にしっかりと腕を回して身体を密着させる。 胸の辺りに感じる眞一郎の鼓動に意識を集めながら、比呂美はその瞬間を待った。 陰茎の長さの分、離れていた腰を、眞一郎は比呂美に向かって前進させた。 充血した亀頭を膣に半分ほど埋め込むと、痛みを感じ始めたのか、背中に当てられた比呂美の指に力がこもる。 「…ッ!!!……ん…いッ……痛……」 繋がりたい、という気持ちはあっても、痛みを受ければ、肉体はそれを退けようとしてしまう。 比呂美の身体は上へと逃げ始め、両手は眞一郎を押し返すように動いた。 (ゴメン……我慢してくれ) 一気に貫くとは言ったものの、狙いを外さないために、ある程度…カリ首までは慎重に埋没させる必要がある。 少しでも早く比呂美の苦しみを終わらせなければ…… 眞一郎はそう思い、挿入に全神経を集中した。 「……痛い……痛…いよ……」 苦痛を訴える比呂美の両眼が、喜びではない別の涙で濡れている。 それを見て、萎えそうになる気持ちを無理矢理に奮い立たせると、眞一郎は挿入を続けた。 上半身を捕まえていた腕を、片方だけ腰に回し、固定を確かなものにする。 「比呂美……いくよ」 そう声を掛けると、比呂美の顔が「もっと痛くなるの?」とでも言いたげに曇り出す。 ……だが、もう構ってはいられない…… 苦しむであろう比呂美の顔を見ないで済むように唇を重ね、麻酔換わりの唾液を比呂美に与える。 …………そして………… 引き絞った弓を解き放つように、眞一郎は自らの矢を比呂美の膣へと打ち込んだ。 「んッッ!!!!!」 反動をつけて繰り出された一撃を受けると、比呂美はキスを振り解いて仰け反った。 全身に薄い汗の膜をまとって硬直してしまった比呂美を包むように、眞一郎は身体を密着させる。 耳元で鳴る、比呂美の奥歯が軋む音…… 快感ではない痺れに震える華奢な身体…… そして陰茎に感じる、『膜』を引き裂いた確かな感触と、肌よりも遙かに熱い温かさ…… 感動、などという軽い言葉では言い表せない……比呂美の処女を奪ったという実感…… ……だが、儀式はまだ終わりではない。 (あと、もう少しだ……もう少しで……『届く』……) 苦痛に耐えている比呂美に申し訳ないと思いながらも、眞一郎は最後の仕上げに取り掛かった。 膣の中程まで潜り込んだ亀頭の、ほんの数センチ先に潜んでいる比呂美の『女』…… 眞一郎はそこを目指して、自らの陰茎を根元までグッと押し込んだ。 「あああああぁぁっっ!!!」 悦楽とも悲鳴ともつかない比呂美の絶叫が、天井と壁に反射する。 膣の側壁とは違うコリッとした硬さを亀頭に感じ、眞一郎は自分が、比呂美の一番大切な所へ辿りつけたことを知った。 (……繋がった…………俺は……俺は比呂美の中にいる……) 至高の悦びに包まれ、自然と子宮を突き上げるように動いてしまう眞一郎の腰。 その動作が比呂美に痛みとは違う感覚を与えたのか、今まで拒絶に動いていた身体の動きが変化した。 肩を押していた腕は首に回され、投げ出されていた脚は、眞一郎の腰の後ろで下半身を引きつけるように交差する。 (動かしても平気……か?) しがみつく様な比呂美の反応を、眞一郎は誤解してしまった。 腰を軽く揺すって陰茎を少し前後させると、比呂美は「痛っ!」と叫んで、更にきつく抱きついてくる。 「動…かないで… ……痛いの……」 一番敏感な部分の『肉』を裂いたのだ。すぐに痛みが無くなるわけはなかった。 「ごめん。……少し…このままじっとしていよう」 耳元で優しく呟いて、比呂美を抱きしめたまま、差し込んだ部分を動かさないように身体を静止させる。 慌ててはいけない…… そう己に言い聞かせ、眞一郎は比呂美の心と身体が落ち着くのを待った。 ………… ………… 暫くすると、比呂美の呼吸の乱れは徐々に落ち着きをみせ、全身の緊張も緩んできた。 上半身だけを少し離し、顔を覗いてみる。 相変わらず痛みはあるようだが、挿入を始めた直後よりは額の険もとれて、幾分か楽になっているように見えた。 「比呂美、大丈夫か?」 自分でこんな目に会わせておいて、大丈夫も無いものだが、他に言葉の掛けようが無い。 「……大丈夫じゃない」 比呂美は薄目を開けて「う~っ」と唸ると、右手で拳骨を握って、眞一郎の頭を軽く小突いた。 「いてっ」 絆創膏が張られた部分を避けて命中した攻撃に、眞一郎が思わず声を上げる。 比呂美が「これでチャラ」と言って悪戯に微笑むと、眞一郎も困ったような顔で笑い返してきた。 「まだ痛いか?」 「うん…ちょっとズキズキする。……ちゃんと…全部挿ったの?」 恥ずかしいことを口走りながら、眞一郎が嵌まり込んでいるところを覗き込んでみる。 (……やだ……すごい……) 桜色の肉が左右に割れ、その中心の孔が、眞一郎の陰茎をしっかりと咥え込んでいた。 それに会陰部を流れる、愛液とは違う生温かい液体の感触…… 少量ではあるが、やはり出血もしてしまったらしい。 「……挿った…ね……」 「……うん……挿った」 二人で結合している部分を凝視しながら事実を確認し終わると、眞一郎は顔を近づけ、唇を求めてきた。 痛みで動けない以上、今できる愛撫はこれだけ、ということなのだろう。 互いの唾液を呑み合う激しい口付けを交わしながら、意識を膣の内部に向けてみる。 先刻、手の平で感じた熱の塊……猛々しいペニスの息吹が胎内に感じられた。 自分でも触れたことのない…女の器官を押し上げて圧迫してくる、眞一郎の情熱…… (……眞一郎くんが……眞一郎くんが…私の中にいる………) 『女』になったのだ、という強烈な実感…… 形容不能な想いが心を震わせ、自然と目尻に透明な雫が湧き出した。 「! 比呂美……また痛み出したのか?」 比呂美の喉が嗚咽で鳴るのに気づき、眞一郎は慌てて身体を起こす。 「……ううん…………違うの……」 首を横に振り、これが悲しみの涙ではないことを知らせる比呂美。 …………眞一郎と深く……深く繋がることが出来た………… その喜び……充足感を泣く事でしか表現できないのが……もどかしい。 「……眞一郎くん……好きよ…………愛してる…… あなたがいれば…私は……」 …………他には何もいらない………… と言いかけて、それはとても陳腐なセリフだと気づき、途中で言葉を打ち切る。 伝えられない…… 言葉じゃ足りない…… ……心が…苦しい…… だが、その気持ちは眞一郎も同じだった。 「……俺だって…俺だって、お前を愛してる…… お前がいれば……俺は……」 眞一郎も、想いを最後まで言葉にすることが出来ない。 口先で紡ぎだす音では不足だと、その苦しげな表情が物語っている。 「比呂美っ」 伝えきれない想いをぶつけるかの如く、眞一郎は闇雲に身体を抱きしめてきた。 その動きが傷口を擦り、忘れかけていた苦痛が蘇って、思わず「んっ」と呻きを漏らしてしまう。 「あっ、ゴメン!」 「いいの……もう…大丈夫だから……して……」 「……無理するなよ。もう少しこうして…」 眞一郎の気遣いを、比呂美は柔らかな微笑みで遮り、痛みの先にあるものを要求する。 「したいの。……眞一郎くんと……」 「……比呂美……」 ……本当は…本当の想いは……もっと深い…… ……溶けたい…… ……溶けて混じって……眞一郎と一つの存在になりたい…… ……でも、それが叶わないなら……せめて…… ……この痛みの向こう側にあるものを……眞一郎と二人で…見つけたい…… ……そこに……二人の想いを本当に繋げてくれる何かが……ある気がするから…… ………… 「…………眞一郎くん……『セックス』……しよ……」 ただ純粋に……眞一郎を求める比呂美の…飾りの無い素直な言葉。 「…………」 僅かな逡巡のあと、眞一郎は比呂美の想いに応えるように頷くと、ゆっくりと腰を前後に動かし始めた。 つづく ある日の比呂美12
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mint tears(かんたん) 詳細・攻略 AC13の隠し曲で初出。その後AC14に収録され、DS3に移植された。 ★×5で、183コンボ。BPMは188。 全難易度で最大コンボ数が3の倍数である。 8分音符は2連打まで。付点四分音符を多用するリズムである。 BPMが高速で、8分音符がある為、かんたんだからといって油断しない事。 天井スコアは:368920点+連打 初項:580点、等差:170点 連打秒数目安…1.277秒×2-0.957秒:合計約3.511秒 アーティストは ribbon rooms 。他に表立った音楽活動の見られない単発名義であることやTwitterでくりむがタカハシをフォローしていること等、何らかの形でDormirが絡んでいそうなことを仄めかす要素は多々ありその可能性は拭えないか。 読み方はミント ティアーズ通称ミンティア 曲IDはmintte ふつう むずかしい おに 楽曲紹介 プレイ動画 コメント 旧譜面は183コンボ、新譜面は116コンボ。 - 2010-12-31 18 40 32 旧譜面はBPMが高速で、8分がある為、詐称という声が高い。新譜面は4分が少なく、逆詐称気味である。 - 2010-12-31 18 43 05 譜面
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難易度表/むずかしい/mint tears